子供たちが思い切りプレーできる天然芝生のグラウンドを造ろう

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 私は、2002年日韓ワールドカップ時カメルーンチームのキャンプ地となった大分県日田郡中津江村(当時現在は日田市中津江村)の鯛生スポーツセンターの所長として7年間勤務し、2004年3月退職して、この小さな会社を設立しました。
 この会社は主に、天然芝生の維持管理と日本と海外の交流という2つの事業を行っています。

 鯛生スポーツセンター所長時に、2002年日韓ワールドカップのチームの誘致活動、受け入れを担当しました。特にワールドカップ時本当に頭を痛めたものが「天然芝生グラウンド」でした。おかげでトッププロたちが利用するグラウンドから青少年たちの練習グラウンドの管理を体験できました。また鯛生スポーツセンターは年間3万人以上の利用者がありますが、当然集客のための営業活動から食事の世話までスポーツ施設としての運営まで携わりました。

 この仕事をあえて選んだのは、キャンプ受け入れ担当者としてカメルーンを訪れたときに、遭遇した現実からきたものでした。2002年2月私はカメルーンの首都ヤウンデでカメルーンサッカー協会の担当者と市内の施設を回っているとき、赤い大地の空き地で一所懸命サッカーで遊んでいる子供たちを目にしました。世界のサッカー強豪国カメルーンの土台がこのストリートサッカーだと私は思い、カメルーンサッカー協会の担当者に
「これがカメルーンサッカーの強さの源ですね」
というと、彼がつらそうな顔して私にこういったのです。

IMGP0209.JPG「だから多くの子供たちが死ぬのです」

と。私は何のことを言っているのかわからず聞き返しました。すると彼は

「子供たちの多くは歩き始めるとすぐサッカーで遊び始めます。もちろん裸足でそのまま大地の上を走り回るため、けがをし、そして破傷風となり、多くの子供たちが小さい頃に死んでいくのです」

 これをきいて私は、愕然としました。日本ではとても考えられない現実がここカメルーンにあり、それがカメルーンだけの問題ではないことだったのです。

 鯛生スポーツセンターを退職後、主に東南アジアの国立スタジアムクラスの天然芝グラウンド30箇所以上を見てきました。やはり多くの国でアフリカを同じような状況でした。

 しかし、日本に帰って回りを見ると、また悲しい現実が見えてきました。ワールドカップ時増えていた天然芝のグラウンドが少なくなっている事に気が付きました。特に冬芝へのオーバーシードをしていたグラウンドの多くが取りやめていました。
 世界の先進国である日本の現状としてはあまりにも情けない話です。こんなにサッカーを愛する子供達が大勢いるのに、野球場や体育館は沢山有るのに1面の天然芝のグラウンドがない自治体が多くあります。

いま日本国内には、スポーツターフ専門に扱っている会社はわずかしかありません。もちろん同じスポーツターフでもゴルフ場にはレベルの高いキーパーさんが多くいます。しかし、サッカーなど天然芝グラウンド専門のグラウンドキーパーはわずかしかいません。スパイクで雨であろうが雪であろうが走りまわるサッカーなどのグラウンドとゴルフ場の芝管理方法はずいぶん違います。

 日本にとってもまだ専門としては新しい分野の仕事です。
 会社は小さいのですが、夢は大きく日本だけでなくアジアやアフリカの子供達が力一杯プレーできる天然芝グラウンドを造りたいと思っています。

 皆様方のご指導・ご鞭撻宜しくお願いします。


                           有限会社 b.i.o 代表  長 谷 俊 介
                            現在は長谷俊太郎が社長です。